ブラックスーツの魅力と仕立てのこだわり

ブラックスーツは、やはりかっこいいものです。

フォーマルウェアは、日本ではどこかとっつきにくく、日常的に意識されることが少ないかもしれません。しかし、フォーマルな印象に留めず、さまざまなエッセンスを加えることで、その魅力は格段に引き立ちます。

今回は、お客様とじっくり時間をかけてお仕立てしたブラックスーツをご紹介いたします。

オーダースーツ ブラック 卒業式 結婚式 オケージョン

ご来店のきっかけとオーダーの背景

お客様の初めてのご来店は、インスタグラムを見てのことでした。事前に予約を入れてご相談いただいたことに、感謝の気持ちが募ります。

晴れの卒業式に向けたブラックスーツをご用命いただきましたが、ただのブラックスーツではなく、お客様らしさをしっかりと反映した一着にしたいと思いました。

印象的だったのは、お客様がDAIRIKUのボトムスを履いてご来店されたこと。実は私自身も愛用しており、思わず「おっ」と反応してしまいました。さらに、シューズとトップスにはハイブランドを巧みに取り入れ、洗練された着こなしをされていたのが印象的でした。

ブラックスーツの魅力と仕立てのこだわり

デザインの方向性と生地選び

お客様が参考にされていたのは、某ブランドのダブルジャケットとスリムパンツのスタイル。「このデザインは再現可能か?」とのご質問をいただきましたが、単なる模倣ではなく、お客様に似合う形へと落とし込む方向でご提案。

JAZZを思わせる自由なスタイリングを活かすそんなスーツに。

いくつかの生地をご覧いただき、ブラックの中でも光沢感や厚み、お手入れのしやすさなどを考慮しながらおすすめをセレクト。お客様も明確なイメージをお持ちだったため、その中から二種類を選び、お見積もりへ。

数日後、すぐに「仕立てたい」とのご連絡をいただき、こちらも一層気が引き締まりました。

ブラックスーツの魅力と仕立てのこだわり

こだわりのシルエットとディテール

生地には、CANONICOのPERENNIALを採用。通年着用できる適度なウェイトがあり、仕立て映えする当店おすすめの生地です。

さらに、お客様の体型に合わせて、怒肩・前肩・出尻といった補正を加え、着心地とシルエットのバランスを重視しました。

襟のデザインは、ゴージ位置を低めに設定し、大きめのピークドラペルを採用。これにより、クラシックながらも存在感のあるジャケットに仕上げました。

ボトムスは、過度ではない控えめなフレアシルエットをご提案。シューズにわずかにかかるバランスに調整し、冠婚葬祭用の既製品にはないエレガントな仕上がりに。セルジュ・ゲンズブールやサンローランのようなフランスの洗練された着こなしが似合うイメージで、細部までこだわりました。

フレアの具合は、5mm単位でピンを打ちながら細かく調整。セレクトブランドにも精通されているお客様でしたので、昨今のコレクションからも参考例を交えつつ、より洗練されたシルエットをご提案しました。

ブラックスーツの魅力と仕立てのこだわり
ブラックスーツの魅力と仕立てのこだわり

仕立て上がりとフィッティング

そして、ついに仕立て上がったスーツのフィッティングへ。

鏡の前でスーツに袖を通した瞬間、お客様の表情がぱっと明るくなったのが印象的でした。その姿に、仕立てを手がけた私自身も思わずグッとくるものがありました。

フォーマルウェアにひと工夫を加え、自分らしく着こなす。そんなブラックスーツの魅力を、これからも多くの方に届けていきたいと思います。

今回のお仕立てモデルは、”Davis”となりました。

JAZZなモデル名に。

ブラックスーツの魅力と仕立てのこだわり
ブラックスーツの魅力と仕立てのこだわり

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